第364回月例会
2016年10月20日(木) 於 東部ビル (赤坂見附)
東京農工大学大学院工学研究院 教授 神谷 秀博 氏
「無機系ナノ素材の分散・凝集挙動制御法に関する研究動向」
(講演概要)ナノ粒子などの無機系ナノ素材を高分子など有機系複合材料などに利用する場合、ナノ粒子の溶媒中や高分子中での分散状態の制御は重要な基盤技術となる。分散性や溶媒やマトリックス素材との濡れ性の制御には界面構造の設計が極めて重要となる。ここでは、シリカやカーボンブラックなど基本的なナノ素材を事例に、溶媒やマトリックスへの分散性の制御事例を概観するとともに、界面設計状態の評価法として、コロイドプローブAFM法によるによる粒子間相互作用の評価解析法を紹介する。
京都大学理学部 准教授 中西 和樹 氏
「超低密度の透明多孔性ゲル」
(講演概要)有機修飾ケイ素アルコキシドを前駆体とし、環化・析出を抑制する界面活性剤や触媒を用いることにより、シリコーンに類似したシロキサン結合による柔軟な3次元網目構造と表面疎水性を併せもつゲルが得られる。得られた湿潤ゲルは適切な熟成・溶媒交換操作の後、超臨界条件を利用しない蒸発乾燥法によってその網目内部の空隙を保持したまま乾燥ゲル(多孔体)となり、可視光透過性や低密度を特徴とする「エアロゲル」となる。
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