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2024年5月27日月曜日

2024年3月/第447回月例会

 第447回月例会

2024年3月13日(水) 於:会場とZoomによるオンラインとの併催

豊田合成㈱ 材料技術部  ゴム材料技術室 チームリーダー 瀬尾 明繁 氏

「高剛性ゴム材料開発による製品の軽量化」

(ご講演概要)近年、自動車部品の軽量化ニーズが高まっており,その対応の一つとして製品薄肉化が挙げられる。ゴム製品において、従来の補強剤添加などによる材料高剛性化では、常温と高温の剛性の差が大きく,組み付け性と高温剛性の両立が困難であった。我々は、有機加硫剤や促進剤を併用することで、ゴム弾性を活用した剛性の温度依存性が小さい高剛性ゴム材を開発した。本講演では、技術の考え方や製品適用事例などについて紹介する。

2024年2月20日火曜日

2024年2月/第446回月例会

 第446回月例会

2024年2月15日(木) 於:会場とZoomによるオンラインとの併催

福岡大学 研究推進部 特命研究教授    八尾 滋 氏

「ポリマーのリサイクル技術の課題と現状ならびに将来構想」

(ご講演概要)プラスチックのリサイクルは、単に環境問題にとどまらず、資源循環ならびにカーボンニュートラルの観点からも、避けては通れない課題である。しかし従来プラスチックは、使用済プラスチックのみならず、成形過程での副生物でさえも再生不可能な「劣化」を起こしているために再利用には適用できないという常識により呪縛され、全く研究開発に手が付けられていなかった。しかし最近の我々の研究により、この劣化は成形履歴などにより内部構造が変異したための物理劣化であり、成形プロセスを選ぶことで大きく再生できることが見いだされた。また同時にこの現象の応用として、成形においても条件設定により力学特性のみならずリサイクル特性が変化することも明らかになった。これら現象は高分子の挙動を物理的に捉えることで新たな環境配慮設計が可能であることを意味している。本講演では、この現象の基盤となっている「物理劣化・物理再生理論」を理解するために、高分子の基礎物性からその挙動を学び、成形がプラスチックの力学物性に及ぼす影響などについて理解するとともに、プラスチックのリサイクルや製造に対する取り組み方について、あるべき方策などについて考える。

2024年1月18日木曜日

2024年1月/第445回月例会

 第445回月例会

2024年1月17日(水) 於:会場とZoomによるオンラインとの併催

大阪大学大学院 理学研究科 教授    高島 義徳 氏

「可逆性・可動性の架橋を駆使した機能性高分子材料の開発動向」

(ご講演概要)近年、持続可能な社会を実現させるためには、廃棄物の低減が求められている。しかし石油由来の高分子材料は、限られた種類しかリサイクルできない。本講演では、材料の長寿命化による廃棄量低減及び資源消費量の低減に寄与する機能性高分子材料をどのように設計するか紹介する。

2023年12月20日水曜日

2023年12月/第444回月例会

 第444回月例会

2023年12月12日(火) 於:会場とZoomによるオンラインとの併催

名古屋工業大学 大学院工学研究科 助教    林 幹大 氏

「ビトリマーコンセプトが拓く架橋樹脂のアップデート」

(ご講演概要)熱硬化樹脂と熱可塑性樹脂の両長所が組み合わさった新規機能性架橋樹脂として、ビトリマーが注目されている。最大の特徴は架橋網目中での結合交換特性にあり、その特徴に起因してサスティナブルな機能(リサイクル性・修復性・再成形性など)が発現する。本講演では、ビトリマーの基礎物性的特徴から、結合交換コンセプトが生み出す派生技術(アップサイクル・接着・物性変換など)まで、SDGsと絡めながら紹介する。

2023年11月/第443回月例会

 第443回月例会

2023年11月8日(水) 於:会場とZoomによるオンラインとの併催

グリーンブラム&バーンスティン法律事務所 USA

米国パテントエージェント(元㈱ブリヂストン)  近藤 泰  氏
米国特許弁護士                        Ryan Chirnomas 氏

「化学分野特にゴム技術分野における米国特許権利化の対応」

(ご講演概要)化学分野、特にゴム技術分野において、いかに米国内での特許権利化を行えばいいかを、米国特許庁との対応を実例をふまえながら、基礎からわかりやすく解説させて頂きます。特に米国特許法の基本的条項である、102条の同一性と103条の自明性について、単なる法律の解釈でなく、実際の化学およびゴム技術に関連した、対応の仕方を説明させて頂きます。本講演を通じて、米国ではどのようなものが登録となり特許の権利となるかをご理解いただけましたら幸いです。

2023年10月/第442回月例会

 第442回月例会

2023年10月18日(水) 於:オンライン

岐阜大学 工学部 化学・生命工学科 物質化学コース 教授  三輪 洋平 氏

「自己修復性エラストマーとCO2応答性エラストマー」

(ご講演概要)私どもが研究している2種類の機能性エラストマーについて紹介をさせて頂きます。まず、私どもの設計したイオン性エラストマーとフッ素性エラストマーについてお話をいたします。さらに、自己修復エラストマーの設計概念に関する最近のトレンドに関しても話を致します。また、CO2応答性エラストマーでは、CO2によって物性が劇的に変化する新規エラストマーについて紹介いたします。

2023年9月/第441回月例会

 第441回月例会

2023年9月20日(水) 於:会場とZoomによるオンラインとの併催

理化学研究所 創発物性科学研究センター チームリーダー  石田 康博 氏

「エントロピー増大に逆らうゲル材料」

(ご講演概要)我々は今回、斜めに配向させた酸化グラフェンのナノシートをゲル中に埋め込んだ材料を作製した。このゲルに横方向の剪断を加えた際、左向きの剪断ではナノシートが座屈しゲルは容易に変形する一方、右向きの剪断ではナノシートは座屈せずゲルは強固に抵抗するため、左右剪断に対する弾性率には67倍もの差が生じる。その結果このゲルは、あたかも「一方向にしか通過できない扉」のように振る舞い、乱雑な振動を一方向の振動に変換する、物体を一方向に輸送する、線虫の集団を一方向に走行させるなど、エントロピー増大に逆らう機能をさまざまな場面で発揮した。


2023年8月/第440回月例会

 第440回月例会

2023年8月23日(水) 於:会場とZoomによるオンラインとの併催

スリーエムジャパン イノベーション㈱ テープ・接着剤製品部

スペシャリスト 岸﨑 治 氏

「3M の電子部品、電子デバイス向け接着・接合ソリューション ~テープ・接着剤」

(ご講演概要)IoT 化や5G の導入など、ますますConnected で高性能化が進むエレクトロニクスデバイスにおける技術的な課題に対して、3M の接着接合ソリューションをご紹介するものとなっております。「材質の多様化」「耐衝撃性の向上」「耐水・耐薬品性」「オートメーション」「サステナビリティ」の5 つのメガトレンドにそって3M のソリューションをご紹介いたします。

2023年8月10日木曜日

2023年7月/第439回月例会

第439回月例会

2023年7月5日(水) 於:Zoomによるオンライン開催

早稲田大学 理工学術院 先進理工学部 教授 関根 泰 氏

「カーボンニュートラルを実現するための化学・高分子の向かうべき方向性」

(ご講演概要)地球は物質としてみると宇宙とは出入りがなく、閉鎖系である。この閉鎖系に唯一外部からエネルギーとして入ってくるのが太陽光である。現在のエネルギー・化学分野は、閉鎖系の遺産である化石資源を掘り出して用いており、太陽光の貢献は我が国では総エネルギー19EJのうち1.5EJ程度である。将来のCNやGXを考えた場合、今後化学・高分子分野が進んでいくべき方向性について、自然科学的、社会科学的な背景を基に整理してみたい。


2023年6月/第438回月例会

第438回月例会

2023年6月6日(火) 於:会場とZoomによるオンラインとの併催

東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 教授 佐藤 浩太郎 氏

「植物由来モノマーの精密重合による機能性ポリマーの開発」

(ご講演概要)近年、環境問題の見直しや循環型社会の形成が求められ、低環境負荷であることが期待される再生可能な植物由来資源から高分子を得る研究が盛んに行われてきている。とくに、天然特有の分子骨格を活用することで、石油由来高分子にない優れた性能や機能をもった新しい高分子材料開発にも繋がると考えられる。本講演では、これまでに講演者が行ってきたさまざまな植物由来ビニルモノマーの制御重合に関する研究成果について概説する。


2023年5月16日火曜日

2023年5月/第437回月例会

 第437回月例会

2023年5月10日(水) 於:会場とZoomによるオンラインとの併催

東京大学大学院新領域創成科学研究科 物質系専攻 特任教授 岡崎 進 氏

「大規模全原子分子動力学計算による現実系高分子材料の諸特性と
                             その分子機構の研究」

(ご講演概要)PMMAやPC、PBIなどの非晶樹脂やブタジエンゴムなどを中心に、現実系の高分子材料の持つ力学特性や熱特性に対し、大規模な全原子分子動力学計算に基づいて行った特性発現の分子機構に対する研究について紹介する。特に、延性破壊と脆性破壊の発現機構の相違について詳細に検討する。また、高分子電解質膜やPDMSガス分離膜に対する計算についても紹介する。

2023年4月/第436回月例会

 第436回月例会

2023年4月18日(火) 於:会場とZoomによるオンラインとの併催

生産開発科学研究所 学術顧問, 京都工芸繊維大学 名誉教授 池田 裕子 氏

「京都工芸繊維大学ゴム科学研究センター成果報告:ゴム科学の面白さ、
                               そして、美しさ!」

(ご講演概要)2016年~2021年に開設された京都工芸繊維大学ゴム科学研究センター活動から得られたゴム科学の最新情報を紹介する。特に、「天然ゴム」、「補強」、「架橋」をキーワードとするサスティナビリティサイエンス研究とゴムの加硫の基礎研究を中心に述べる。