2021年10月20日水曜日

2021年10月/ 第418回月例会

 第418回月例会

2021年10月19日(火) 於:Zoomによるオンライン開催

東京大学 教授            酒井 崇匡 氏

「テトラPEGゲルの発明とゲルに関する普遍法則の発見」

(講演概要)溶媒を多量に保持したゴムである高分子ゲルの弾性は、これまでゴム弾性理論のモデルを用いて議論されてきた。本研究において、ゴム弾性理論のモデルを用いることの妥当性について、極めて均一で制御可能な網目構造を持つテトラゲルを用いて検証を行ったところ、矛盾する結果を発見した。さらなる調査の結果、この矛盾は、ゴム弾性モデルでは考慮されない「負のエネルギー弾性」が原因であることが判明した。この負のエネルギー弾性は、高分子ゲルが持つ溶媒が原因であり、高分子ゲル弾性はゴム弾性とは本質的に異なることを示している。

2021年10月8日金曜日

2021年9月/ 第417回月例会

 第417回月例会

2021年09月15日(水) 於:Zoomによるオンライン開催

山形大学 名誉教授           多賀谷 英幸 氏

「タイヤを含む高分子化合物の再資源化に及ぼす溶剤効果」

(講演概要)プラスチック資源循環促進法が成立するなど、プラスチックの適正処理への期待が高まり、循環が容易なプラスチック製品の設計進展が想定されているが、複合素材やその製品、熱硬化性樹脂を含む高耐熱性材料などについては有効活用技術の開発が切望されている。本講演では、当研究室でこれまでおこなってきた、液相処理による高分子化合物内相互作用の解離や架橋結合の切断と、それに伴う再資源化法について概説する。