第420回月例会
2021年12月7日(火) 於:Zoomによるオンライン開催
千歳科学技術大学 理工学部 特任教授
北海道大学/東北大学 名誉教授 下村 政嗣 氏
「人新世におけるバイオミメティクスの新潮流」
(講演概要)自然や生物に学ぶという考え方は古くからあり、バイオミメティクスと呼ばれています。21世紀に入り、ナノテクノロジーの世界的な展開と相俟って新しい展開を迎えたバイオミメティクスは、繊維などの分子レベルの材料設計からロボティクスの分野を超えて、建築、都市設計に至る“生態系バイオミメティクス”と称すべき幅広い分野に広がっています。一方、温暖化や海洋プラスチック汚染に象徴されるように地球環境問題は深刻さを増しており、人間活動が地質時代に影響する「人新世」を迎えようとしています。欧州においては循環型経済へのパラダイムシフトとしてNature PositiveやNature-based Solutionが提唱されています。このような状況を踏まえバイオミメティクスの歴史的展開と現代的意義、生物多様性からの技術移転やエコミメティクスについて解説いたします。